「もうすぐ人事異動だけど、今の上司とは気持ちよく別れられそうにない……」
このように感じている方は少なくありません。苦手な上司との関係が原因で、異動までの残りの期間をストレスなく過ごせるかどうか、不安に思っていませんか？
- 理不尽な叱責を受け続けた
- 相性が悪く、会話すら億劫だった
- 評価されず、冷遇されていた
こうした状況が続いていた場合、「最後に嫌味のひとつでも言ってやりたい」、「せめて仕返ししたい」と考える気持ちはよくわかります。しかし、感情的にぶつかるのは得策ではありません。職場は狭い世界ですし、将来的にどこかでまた関わる可能性もゼロではありません。
本記事では、苦手な上司と円満に別れるための５つの具体的な方法をお伝えします。私自身が数多くの職場で苦手な上司と遭遇し、異動で別れる際に心がけていた内容を紹介します。これを実践することで、
- 異動前のストレスを最小限に抑えることができる
- 上司との関係を改善し、スムーズに引き継ぎができる
- 最後の印象を良くし、自分の評価を高めることができる
といったメリットが得られます。すっきりした気持ちで新しい環境に向かいましょう。
具体的な解決策
ここでは、苦手な上司との関係を悪化させることなく、気持ちよく別れるための５つの方法を解説します。
業務を完璧に仕上げる ～文句を言わせない仕事ぶりで終わる～
苦手な上司と関係が悪くても、仕事の締めくくりをしっかり行うことが大切です。具体的には以下の取り組みを行うことです。
- 引き継ぎ資料を整理し、後任が困らないようにする
- ミスを減らし、業務の質を保つ
- 上司からの指示を最後までしっかり遂行する
例え嫌な上司であったとしても、お客様、また社員のために今の職場にて業務を継続させる必要があります。また、新たに着任する後任は何も悪くはありません。後任も好きで着任するとは限りません。そのため、後任にはしっかりと引継ぎをする必要があります。
また、嫌な上司からの業務指示においても、一応上司部下の関係である以上、異動前までに出来ることはやっておきましょう。
完璧に仕事をこなすことで、「最後までしっかりやってくれた」と評価され、悪い印象を残さずに済みます。
感謝の気持ちを伝える ～どんな上司に対してもお礼を伝える～
どんなに苦手な上司であっても、「お世話になりました」と一言伝えることで、大人の対応ができます。具体的には以下の取り組みを行うことです。
- 短い言葉でもいいので感謝を伝える（例：「お世話になりました」）
- 直接言いづらい場合はメールやメッセージで伝える
- 軽く会話をしてから去る（例：「色々ありましたが、勉強になりました」）
社会人として挨拶をしないと、「無礼な奴だ」と言われる恐れがあるため、最低限の挨拶は必要です。「終わりよければすべてよし」であり、相手に「良い部下だったな」と思わせることができれば、関係は円満に終わります。大人の対応が重要です！
上司の良い面を見つけ褒める ～最後の印象を良くする～
苦手な上司にも、何かしら学べる点はあるはずです。最後にその部分を伝えると、円満な別れにつながります。具体的には以下の取り組みを行うことです。
- 上司の「仕事のスキル」や「経験」を尊重する言葉をかける
- 「○○のやり方は勉強になりました」と具体的に伝える
- 人前でさりげなく上司を持ち上げる
例え嫌な上司でも、人間ですので長所や、学ぶべき点は必ずあります。何もない場合は、反面教師としてとらえることも有効です。何らか得るものはありますので、それを今後の自分の取り組みや振る舞いに活かすとよいです。
上司側としても、気に食わない部下からこのような声をかけてもらえると、素直に嬉しいと感じるでしょう。また、「この部下は最後までしっかりしていた」とも感じるでしょう。
ネガティブな話題は避け、ポジティブに振る舞う ～大人の対応をする～
異動前の時期は、つい愚痴を言いたくなるもの。しかし、最後の印象を悪くしないためには、ポジティブな態度を保つことが大切です。具体的には以下の取り組みを行うことです。
- 上司の悪口や職場の不満を同僚と話さない
- 異動を「前向きなチャンス」と捉え、明るく振る舞う
- 「楽しみです！」と新しい環境への期待を示す
今の職場で辛かった過去も、振り返ってみるとあなた自身の成長に繋がっていることや、嫌な上司からも何らかの学びを得ているはずです。
最後は明るく前向きな態度で去ることで、上司や同僚に「良い人だった」と思われやすくなります。
「また機会があれば」と余韻を残す ～将来の人間関係を考えた別れ方～
「もう二度と会いたくない！」と思う相手でも、未来の関係性を考えて「また機会があれば」と余韻を残すのが賢い方法です。具体的には以下の取り組みを行うことです。
- 「またどこかでご一緒できる日を楽しみにしています」と伝える
- 連絡先を交換しておく（使わなくてもOK）
- 笑顔で去る
「嘘も方便」で相手を気持ちよくさせるための高度なテクニックになります。あまり丁寧にやりすぎると嫌味になりますので、自然体で出来る人は、是非チャレンジしてみてください。一方、連絡先の交換は抵抗があるかもしれませんので、こちらは無理のない範囲になります。
これにより、将来的に仕事で関わることになっても、円滑な関係を維持できます。
【番外編】どうしても一言モノ申したい場合
これら５つの方法について、「耐えられない」、「最後に何らか言っておきたい」という気持ちがある場合もあるでしょう。特に、理不尽な扱いや嫌がらせを受けてきた場合、ただ黙って去るのは悔しいですよね。しかし、感情的になってしまうと、あなたの評価が下がることや、後々のキャリアに悪影響を及ぼす可能性もあります。そこで、「大人のスマートなぎゃふん」を狙う方法を３つご紹介します。
上司の上司や同僚の前で、冷静に本音を言う
退職や異動が決まっているなら、上司に直接ではなく「上司の上司」や周囲の人間に、冷静かつ論理的に本音を伝えるのも有効です。
- 「○○さんには厳しく指導いただきましたが、おかげでメンタルが鍛えられました」
- 「○○さんのやり方は、私には少し合いませんでしたが、学びにはなりました」
- 「次の職場では、もっと良い関係が築けるよう努力します」
こうした言い方をすることで、「この人は相当苦労してきた」ことが周囲に伝わりつつ、上司本人には反論の余地を与えません。
上司が困るような「正論」を突きつける
どうしてもスカッとしたいなら、正論を武器に上司をぎゃふんと言わせるのもアリです。ただし、感情的に攻撃すると逆効果なので、あくまで冷静にジョークのように伝えましょう。また、「部下からのパワハラ」と捏造されては元も子もありませんので、第三者がいる前でした方が無難です。
- 「○○さんの指導スタイル、今後の若手には合わないかもしれませんね」
- 「もっと部下を育てるやり方を考えられたら、職場も良くなるかもしれません」
- 「今後、私のような部下が増えないといいですね」
こうした発言を「助言」のような形で言うことで、相手に精神的ダメージを与えつつ、周囲からの評価を落とさずに済みます。
SNSや職場で「成功」をアピールする
異動後や転職後に、自分の成長や成功をアピールするのも、効果的な「ぎゃふん」のひとつです。
- SNSで「新しい職場ではとても良い環境で働いています！」と発信する
- 元同僚とつながり、近況をポジティブに伝える
- 仕事で結果を出して、噂として元の職場に届くようにする
元上司に直接何かを言わなくても、「あいつ、今すごく充実してるらしいぞ」と噂が流れれば、それだけで勝ちです。
感情的な対立はあなたの損になることが多いですが、「冷静に、スマートに」行動すれば、結果的にあなたの勝ちになります。
まとめ
苦手な上司との別れ際は、感情的にならず、冷静かつスマートに対応するのがベストです。今回紹介した５つの方法を実践することで、
- 上司との関係悪化を避け、職場での自分の評価を落とさない
- スムーズな引き継ぎを行い、後任や同僚に迷惑をかけない
- 自分自身の気持ちを整理し、前向きな形で次の環境へ向かう
ことが可能になります。
また、どうしても一言モノ申したい場合は、どの方法を選ぶかは、あなたの状況次第ですが、「スッキリしつつ、未来にもプラスになる」やり方を選ぶのがベストです！
最後の印象を良くし、新しい環境で気持ちよくスタートを切りましょう！
