職場の送別会は、退職・異動する人を送り出す大切なイベントです。しかし、送る側も送られる側も、どのように振る舞えばよいか分からず、気まずい思いをすることもあるのではないでしょうか。

例えば、送る側としては「どんな準備をすればよいのか」「スピーチの内容はどうするべきか」、送られる側としては「どのような言葉で感謝を伝えるべきか」「どこまで丁寧に対応するべきか」といった悩みを抱えることが多いです。
本記事では、私がこれまで数多くの送別会を経験してきた中で、送る側・送られる側それぞれの心得を5つずつ紹介します。本記事を読むことで、
- 送別会での立ち振る舞いに自信を持てるようになる
- 送る側・送られる側が気持ちよく会を終えられる
- 失礼のないマナーやポイントを押さえ、好印象を残せる
というメリットがあります。適切な振る舞いを知り、円滑な人間関係を築くための手助けになれば幸いです。
送る側の心得
送別会の目的を明確にする

送別会は単なる飲み会ではなく、「感謝と激励を伝える場」です。特に幹事を任された方は主催者として、その目的を明確にし、段取りをしっかり行いましょう。
- 送別の対象者にとって有意義な場になるよう配慮する
- ただの飲み会にならないよう、メリハリをつける
- 会社の方針や文化に沿った形式を考える
例えば、静かに語り合う場が好まれる職場であれば、落ち着いたお店を選ぶべきですし、フランクな雰囲気が好まれる職場なら、親しみやすい居酒屋も選択肢に入るでしょう。できれば、3月などの送別会シーズンでは予約しづらいかもしれませんが、個室を予約した方がよいです。大人数の場合、当日貸切にするのもありです。
また、送別会のプログラム(いつ何をするのか)についても、事前に残留する(転出しない)上司と相談しながら、決めましょう。
主役が楽しめる場を作る

送別会の主役は送られる人です。参加者全員が主役を中心に考え、気持ちよく過ごせるよう配慮しましょう。
- 主役がリラックスできる雰囲気を作る
- 過度なサプライズは避け、事前に希望を聞く
- 適度な距離感を保ち、無理に盛り上げすぎない
まずは、お店については主役の好みの料理や雰囲気の店を選ぶとよいでしょう。主役が複数いるなど選定が困難な場合は、和食を選ぶとよいでしょう。
また、主役が気を遣いすぎないよう、過度な演出や派手なサプライズは避けるのが無難です。もし主役に協力いただくようなイベントを計画する場合、当日主役が困ることがないようにするため、全貌は明かさず、事前に部分的に確認しておくことが必要です。
なお当日、最後ということもあり、つい羽目を外してしまい、主役に馴れ馴れしい態度をとる方もいらっしゃいますが、場合によっては主役が不快な思いをする場合がありますので、気を付けましょう。
スピーチの準備を怠らない

送別会は会社によって、最後に送られる側のみのスピーチをする場合、送る側と送られる側の両方からスピーチを行う場合がありますが、ここでは送る側(主催者、上司、同僚等)からのスピーチのポイントを紹介します。感謝の気持ちを簡潔に伝え、思い出話を交えると、より心のこもったメッセージになります。
- 長すぎず短すぎず、3分程度を目安にする
- 具体的なエピソードを入れると感動を生む
- 形式的になりすぎないよう、自然な言葉で伝える
まずは、多くのメンバーは酔いが回っているため、長いスピーチの場合、周囲が途中から聞かなくなり、雑談や余計な掛け声が出てくることが多いです。送られる側はスピーチを真剣に聞きたいにも関わらず、聞き取りづらくなり、あまり気分が良いものではありません。
そのため、簡潔に印象に残るスピーチが重要です。例えば、特に主役が職場に貢献したエピソードをピックアップし、「○○さんと一緒に取り組んだ○○のプロジェクトでは、本当に助けられました」というように、具体的な経験を交えると印象に残ります。もちろん、スピーチは形式的な言葉ではなく、自身の言葉で伝えることが主役に感謝の意が伝わります。
プレゼント選びは慎重に

プレゼントを贈るか否かは会社によって異なるとは思いますが、プレゼントを贈る場合、送別の品は主役の好みや今後の生活を考慮して選びましょう。
- 実用的なアイテム(高品質な文房具、時計、ビジネスバッグなど)
- 思い出が詰まったもの(アルバム、寄せ書き、職場の記念品など)
- 新生活に役立つもの(転勤の場合は地域情報の本、退職なら趣味のグッズなど)
注意点として、実用的なアイテムのうち、文房具については、目下の主役に渡す場合は問題ありませんが、目上の主役に渡す場合、「もっと勉強しなさい」といった意味と解釈されるケースも想定されるため、文房具は避けた方が良いです。
主役の趣味や興味があるものが分かっていれば、それをプレゼントにするのも良いですし、相手に気を遣わせず、気持ちが伝わりやすいのは、「(色紙等への)寄せ書き」が一番だと思います。
プレゼントは、送り手の気持ちが伝わることが大切です。
最後まで気配りを忘れない

送別会が終わった後も、最後まで主役に気を配りましょう。
- 解散後、主役にフォローの連絡を入れる
- 集合写真を共有し、思い出を振り返る
- メッセージを送るなど、感謝の気持ちを形にする
まずは、集合写真をSNS等で共有し、一言感謝のメッセージを添えるとよいでしょう。場合によっては、集合写真やこれまでの写真を製本する場合は、主役の最終出勤日に職場の皆さんの前でお渡しすることもよいでしょう。
送られる側の心得
感謝の気持ちをしっかり伝える

送別会を開いてもらうこと自体、貴重な機会です。主催者側は、送られる方々が気持ちよく過ごしていただけるよう、様々な検討や思案の上、事前準備から当日の進行をしてくださっています。面倒に感じることなく、主催者には感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
簡潔で印象的なスピーチを用意する

こちらは会の終盤に行うことが多いと思います。まずは、送別会を開催いただいたことに対する感謝の意を述べるとともに、送る側(主催者、上司、同僚等)からのスピーチを受けた場合は、メッセージの内容に対するお礼の言葉を述べましょう。
- スピーチは長すぎず、3分程度にまとめる
- 会社や同僚への感謝の言葉を中心にする(愚痴や嫌味はNG)
- 次のステップへの意気込みも簡単に伝える
このスピーチも、多くのメンバーは酔いが回っているため、簡潔に印象に残るスピーチが重要です。職場で助けられたこと、感謝していることなどについて、エピソードを交えて感謝の言葉を述べましょう。
なお、自身にとって相性が良くなかった職場であった場合、恨みつらみや皮肉を言いたくなる気持ちは分かりますが、主催者に対して失礼になるばかりが、場の空気がシラけてしまします。あまり気乗りしない場合でも、自身がこの職場で学んだことや良かった部分は何かあるはずですので、そこをピックアップして「○○について、大変勉強になりました。」などと言って感謝の意を伝えましょう。
最後の挨拶は一人ひとりに

送別会が終わった後も、全員に対してしっかり挨拶をしましょう。
- 直接会ってお礼を伝える
- その場で言えなかった人には後日メッセージを送る
送別会の会場から退出する際に、一言お礼の言葉を述べる形で構いません。1人ひとりに声をかけることが大切です。
記念品や手紙を準備する

会社や職場によって異なりますが、特段お世話になった職場や周囲の社員に対し、個別のメッセージカードやちょっとした記念品を渡すと好印象になります。
長くお世話になった、重要な仕事で助けてくれた上司や同僚には、一言手書きの手紙を添えることや、ハンカチなどをお渡しすると良いでしょう。
実際、私は過去に少人数の職場で送別していただいた際、本当にお世話になった上司と、少しいけ好かない2年上の先輩社員がいましたが、それぞれ1つずつ1,000円のハンカチをお渡ししました。すると、先輩社員は非常に驚いた表情で私を見て感謝いただき、それ以降、他の職場で立場が違う形でお会いした際も、非常に丁寧に接してくれるようになり、今でも良好な関係が続いています。
たった1,000円のハンカチをお渡ししただけで、人間関係が大きく変わるものだと痛感しました。そのため、プレゼントを渡したくない相手でも、渡すことで大きく変わるかもしれませんので、一度お試しください!
これまでの縁を大切にする

こちらは送別後になりますが、転職や異動後も、何かしらの形で元の職場の人と連絡を取り続けるのがよいでしょう。何か困った際には元の職場に聞くこともありますし、今の職場のプロジェクトを遂行するために元の職場の力を借りる必要が出てくる場合もあります。元の職場の方から業務に関する質問が来た際には快く応じ、良い関係を構築しておきましょう。
人脈を大切にし、将来的な関係を維持することが肝要です。
まとめ
職場の送別会は単なる飲み会ではなく、職場の仲間との最後の時間を有意義に過ごし、「感謝と激励を伝える場」です。
- 送る側は、主役を立て、気持ちよく送り出すことを意識する
- 送られる側は、感謝の気持ちを伝え、これまでの縁を大切にする
この心得を押さえれば、送別会をより意義あるものにでき、今後の良好な人間関係にもつながります。ぜひ、送別会を成功させるために、実践してみてください。