リストラされにくい人(その2)~会社に残さざるを得ない人の4つの特徴~

仕事関係(全般)
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 自分がリストラの対象にならないためには、どうすればよいか・・・

 前回記事(リストラされにくい人(その1)~会社を辞められたら困る人の4つの特徴~)にて、「会社に積極的に残したい人材」を紹介しましたが、今回もリストラの対象になりにくい社員の特徴について紹介します。リストラの対象になりにくい社員の特徴を知り、それに近づくことで、リストラされにくくなることは可能です。

 リストラの対象になりにくい社員のうち、
 ①会社を辞められたら困る人の4つの特徴(前回紹介)
 ②会社に残さざるを得ない人の4つの特徴

の大きく2種類が存在しますが、今回は、「会社に残さざるを得ない人の4つの特徴」について紹介します。

 人事部門の業務に携わったことがある私の経験を踏まえ、会社側の視点で余すところなく紹介しますので、是非参考にしてください。

会社に残さざるを得ない人の4つの特徴

法律に詳しい(特に労働関係)

 まず、会社が敵に回したくない人は、法律、特に労働関係に詳しい人です。明確な根拠なくリストラをした場合、労働基準法等を調べて「不当解雇だ!」と訴えられたら、会社にとって莫大なエネルギーを必要としますし、敗訴となった場合、会社の信用問題にもなってしまいます。

 前々回の記事(リストラの対象になりやすい人とは)で紹介しました通り、会社がいつでも自由にできるわけではなく、相当な理由がない限り、従業員を辞めさせることはできません。

 ここでアドバイスですが、「私は法律に詳しくないから関係ない」とは思わないでください。インターネットでいつでも検索できるこのご時世、誰でも法律に詳しい人になることが可能です。ネット検索でキーワードを入れて検索すれば、法律に基づいた専門家等の知見や、法律そのものに触れることが可能です。

 過去の職場での経験談ですが、これまでの部署では経験したことのないジャンルの仕事ばかりで、何か不明な点や法的な根拠を調べたいとき、真っ先にGoogleで検索します。そして根拠となる法律を見つけたら、引用し印刷、上司に説明することで、「法律に詳しい奴だ」と認められるようになります。また、社外から筋の通らない申し出があった場合も、法律を調べ、それを相手に提示したことで、弁護士無しに自分で追い返した経験もあります。

 ネット環境を持ち、日ごろから調べる習慣を持っていれば、誰でも「法律に詳しい人」になることができます

頭が良く、引き下がらない

 人事部は人を扱うプロですが、頭の良さで人事部の社員を上回る場合、辞めさせようとしても、相手が上手であり戦略的に失敗してしまう恐れがあります。

 また、日ごろから話が長くしつこいなど、聞き手に対し会話をする気力を失わせるパワーを持っていると、辞めさせる場合、本人からひどく嚙みつかれ、想定より多くの労力を要する可能性もあります。

 過去の職場での経験談ですが、異常時や問題が発生しても自身の頭の中にある規則を参照しながら、対処方法を冷静かつ積極的に部下に指導することができたり、資料作成能力が人一倍優れている人がいました。一方で、部下に対し不用意な発言をしたり、一般的な常識やマナーをわきまえていなかったり、結果的に常に周りから認められないためか、常にマウントを取ろうとする残念な人でした。会社で長所を存分に活かせばよいのですが、部下に指導をする際や関係部署へ電話をする際も、中身ない内容を延々としつこく話す人でした。部署の士気を大きく低下させるとともに、周囲からは相当煙たがられていたため、私が経営者であれば解雇したいところですが、解雇までの手続きに相当の労力を要し、手続きに時間がかかることが目に見えるため、辞めさせにくい人だと言えます。

上層部と仲が良い

 会社役員や部門・系統のトップなどの上層部と仲が良い人は、仕事がイマイチであったり、多少態度が悪くても、かなり丁重に(もしくは腫物として)扱ってくれます

 ここで、「仲が良い」とは、
 ・血縁関係がある
 ・従前から知り合いである
 ・出身大学が同じである
 ・業務外で交流がある(自宅が近所、同じ社内クラブに属する、ゴルフに行く等)
 ・業務において全幅の信頼を置かれている
 ・仲が良いように見える
 などです。

 私が勤めている会社では、噓のようで本当の話でしたが、系統のトップで副社長まで上り詰めた幹部がいて、その幹部と同じ大学出身でかつその幹部に取り入っている人のことを、「○○(←その幹部の苗字)一派」だの、「○○バッチ(を着用している人)」と呼ばれていました。実際にどのような手法でその幹部に取り入っていたのかは定かではありませんが、噂では、ある人は社内メールで相手の誤りを指摘する際に、毎回BCCでその幹部を入れるというようなことをやっていたと聞いたことがあります。その人たちは、業務遂行能力に関係なく、周りから丁重に扱われる(悪い意味では腫物扱いの)傾向がありました。(その後、その幹部は本体から離れ関係会社へ出向したため、「○○一派」「○○バッチ」は自然解体し、全員ノーマル社員になりました。)

 人間はそれだけ権力には弱いという性質を上手く利用した手法ですが、その幹部が出世コースからドロップアウトすると、このように共倒れになるリスクも存在します。

 「この手法を利用したいけど、上層部とは全くつながりがないし・・・」と思っている方でも、諦めてはいけません。1つだけ方法があります。それは最後に記載した「仲が良いように見える」人になることです。

 その幹部へ業務説明する際や、廊下ですれ違う際などに、こちらから積極的に少し雑談をしてみて、話題や共通点を探してみましょう。立ち話で雑談をしているところを他の人に見られるだけでも効果絶大です。なぜなら、その光景を見た人が勝手に「仲が良い」と捉え、それが噂になるからです。

 また、これは私が経験した内容ですが、「会社員のままで良いか」で述べた、今の会社の本業とは異なった畑違いの職場にて困った社員たちから悪影響を受けていた際、前の職場でお世話になった尊敬する元上司を社外に呼び出し、困っている内容を相談したことがありました。その後、相談に乗ってくれた元上司は、相談内容を人事部門に報告しますが、後にその元上司は役員になりました。その後、人事部門からは、私はその元上司と「仲が良い」と勝手に解釈される形になりました。(これは私が意図的に行ったわけではなく、偶発的な出来事です。)

部下や後輩から慕われている

 「幹部や上司から気に入られることが、出世への近道である」という考えとは真逆のような内容ですが、同じ場所で働く仲間や、特に部下や後輩から慕われ尊敬されている人は、辞めさせにくい存在です。

 仮にその人を辞めさせた場合、その人を慕っていた部下や後輩が次々に辞め、その人に付いていく可能性もあります。その場合、せっかく長い時間をかけて従業員教育してきたことが全て水の泡となり、また最初から採用活用から教育までしなければいけません。複数人の労働力を失うことは、長期的に見て会社にとって大きな損失です。

 具体例として、私には行きつけの美容室があり、いつもそこの代表(社長)にヘアカットしていただいていますが、その代表とは、9年前に別の美容室で従業員として担当いただいたのが最初の出会いでした。当時は後輩従業員の面倒を人一倍よく見ていたようです。また、ヘアカット中の会話についても、お客様との距離感を上手く保ちつつ、上手にコミュニケーションをとれる方です。ある日、その美容室を自らの意思で退職し独立することとなった際、店の売り上げが激減するとともに、そこで働いていた後輩従業員も退職し、その代表に付いてきました。その店にとっては大きな痛手です。

 上層部ばかりに良い態度をするのではなく、部下や後輩を大切にすることで、結果的に自分の評価に繋がったり、会社に対して大きな存在になると言えます

まとめ

 今回は、リストラされにくい人(その2)として、「会社に残さざるを得ない人材」を紹介しました。前回紹介しました「会社を辞められたら困る人の4つの特徴」も含め、これらの特徴を押さえておけば、リストラされにくい存在になることは可能です。

 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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